第二十四話 レディース アンドゥ ジェントルマ〜ン!!

 

 朝日がゆっくりと登る中、鳥人族達も今日から数日は仕事を忘れ、のんびりと過ごす日々が続く。
 なんと言っても年に一度の祭の日々が始まるからだ。
 
「レディース アンドゥ ジェントルマ〜ン!!
 本日から鳥籠神鳥祭とりかごしんちょうさいの開催となりました〜!!
 参加者には常連と新人はもちろん!
 今回は珍しい、いえ、初めてとも言える他国の参加者がいらっしゃいま〜す!
 それもサキ様とモト様がお連れになった頼れる他国の何でも屋!!
 祭を盛り上げるために参加されるとのことなので、皆さんも大いに観覧と応援の程、よろしくお願い致しま〜す!
 司会はお馴染なじみ!
 ニワノ・コケコッコーがお送りいたしま〜すっ!!」

 司会の声は鳥籠神鳥祭が始まると公明正大こうめいせいだいひびき渡る。
 もうすでに一つのギスの木から吊り下がる籠の周りには多くの鳥人族達が集まっていた。
 飛びながらの観戦、木に止まりながらの観戦。
 それぞれが開催を楽しみにし、心待ちにしてきた祭の初日である。
 浮き足立つのも無理はなく、さわぐ声もワイワイガヤガヤと楽しそうなものばかり。

「初日にして、各々の初戦は里から一番近い籠で行われます!
 五つあるうち、この籠が一番最初に出来上がったものではありますが事前確認で問題なしと判断されだとのことです。
 もしかすると、試合中に破損するかもしれませんっ!!
 どうなるかは自らの目でとくと御観戦の程、よろしくお願いいたしま〜す!」

 そんなアナウンスを聞き流しながら、観客達は優勝は誰かと話し合っていた。

「やっぱり、チュウヒ様だろ」
「ラースカ連合も侮れねぇぜ?」
「私はサキ様達が連れてきた方々だと思うの!」
「鳥人族の誇りにかけて、他国のには負けないでほしいもんだ」
「なんで、チュウヒ様がこんな特別枠なんだ?」
「警護を一手に引き受けてるかららしいのよ」
「こりゃ、試合せずともチュウヒ様がMVPになっちまうな」
「いやいや、試合してもらわねぇと納得いかねぇって」
「優勝が誰になるのか、楽しみすぎるぅ〜」
「早く始めろ〜ぃっ!!」

 楽しみのあまり、早く始めてと声が上がり始めるのを聞きながらにコケコッコーは頷く。
 それはこの場にいる皆の気持ちである。
 高まる空気の中、一番籠の中の試合が見える木の上へ、ロフク、サキ、モトが降り立った。
 ロフクが少し身を揺らしてから鳴き声を響かせた。
 鳴き声を聴いて騒いでいた観客達は誰かが言わずとも黙る。
 コケコッコーも軽くお辞儀をして、清聴せいちょうつとめている。

「オホン! 皆の者、今年も鳥籠神鳥祭が始まる。先程、ニワノ・コケコッコーが言った通り、今年は他国の方々にも参加をしてもらっておる。鳥人族のみで取り計らってきた祭だが、この機会に他国の方々がどう戦うかを皆に見てもらいたい。ワシ自身も気になっておるくらいじゃ。存分に楽しめる事を勝手ながら宣言させてもらおうかの」

 そこでロフクはどこかを一瞥いちべつする。
 その視線はどこか期待したものであったようにも見て取れた。

「皆も待ちけれぬであろう。鳥籠神鳥祭の開催を宣言するっ!」

 ロフクの開祭宣言に観客の皆々がそれぞれ、鳴き声を上げる。
 響き渡る声は巨大なギスの木を震えさせ、木の葉も揺れ、小動物達も逃げ出したに違いない。

「族長、ロフク様からの御言葉も頂きましたので、コケコッコーが司会進行を引き継がせて頂きます!
 さぁ! 皆様方々、お待ちかね!!
 選手の入場です!!」

 コケコッコーの声に合わせて、向き合うように観客達の足元から飛び上がってくる鳥人族の姿が現れた。
 右側は鳥人族が一人だけ、左側は二人の鳥人族の足を掴んでいる人間の姿があった。

「右翼〜! サブハヤ選手っ!」

 先に籠の中へと着いたサブハヤが大きく翼を広げて、観客達へとアピールをした。

「左翼〜! 他国の何でも屋〜!」

 少し遅れて、スズネとシグが籠の底へと降り立った。
 スズネは観客達へ大きく手を振り、シグは対戦相手をじっと見ていた。
 サブハヤは籠の中ではあるが、縁に止まっている。
 何でも屋の二人を見下ろす形で観察していた。
 視線を感じてか、スズネもファンサをやめてサブハヤへ臨戦態勢を取った。

「さぁ、両者が入場されました! 鳥籠神鳥祭の初日の第一戦から初参加の他国の何でも屋が戦います! 果たしてどんな戦いになるのか!? 掛け声も私が務めさせて頂きます!! レディー!!」

『コケ! コッコォ〜っ!!』

 高らかと大きな鳴き声が会場に、ラグユラシル大森林に響き渡った。
 鳥籠神鳥祭の一日目初戦の始まりである!!

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