サキとモトを休めるためにサラマンダーが埋まってる近くで暖をとってる。
倒したて埋めたてほやほやだから焚き火をせずともあったかい。
荷物もすぐそばに置いてあるから取られる心配もないし、のんびりできる〜。
「オカマ、ちゃんとトドメ刺したんでしょうね?」
「胴体に風穴が開いたの見てたでしょ? あれで生きてるわけないわ。それを言うならスズネが仕留めた二体の方が心配ね」
「失礼な! どっちも首をスパッと斬ってやったから大丈夫に決まってるし!」
「私も見ました。魔力の刃と言えば良いんでしょうか? それで首を斬ってましたよ」
「モトも見ました! その後、追われましたけど」
サキもモトも変身を解いて、ゆっくりしている。
サキは座っているけど、モトは横になっている。
モトには少し無茶させちゃったみたい。
「ほら、証人が二人いるから問題なし!」
「なら、良かったわ。念の為、地面に埋まるようにしておいたから大丈夫でしょ。それよりなかなか無茶なやり方したみたいね」
「二人には悪かったけど、試したかったこともできたし満足かな」
お昼ご飯を食べた後に試していたのは二人の高速飛行に耐えられるかどうか。
何もしなかったら耐えられなかったけど、肉体強化をしたらなんとか耐えられた。
本当ならもう一個試したかったけど、もう機会はないかもなぁ〜。
「あんなこと試したくなるのはスズネくらいだから、二人にはお礼言っておきなさい」
「わかってるって! 二人とも、ありがとね。モトは特にありがと」
「いえ、こちらこそサラマンダーを倒して頂きありがとうございます」
「モトもサラマンダーを倒す手伝いできて嬉しかったのでありがとうございます」
「どういたしまして!」
お礼を言ったのにお礼で返されちゃった。
ま、本当のことだし、胸を張って受け止める事にしよう。
お礼を言い合うのって良いよね。
お互いに感謝し合えるのはなんていうか気持ちがいい。
「……里の者たちがこっちに向かってきています」
「そうなの? サキ達のこと迎えにきたんじゃない?」
サキが里の方を見ていたからアタシもそっちを見ると、思っていたよりも多くの鳥人族が飛んできているのが見えた。
「迎えに来たにしては多くないかしら?」
「ざっと十五人程がこっちに来てます」
「姉さん、この対応の仕方は……」
「警戒体制を取ってますね」
「えぇ! なんで? こっちからは何もしてないし、なんならサラマンダーを倒しただけなのに!」
「魔力を感知しただけの対応でしょう。スズネさんの魔力の刃もそうですが、シグさんの魔力は私たちの知らぬものです。こちらの状況を把握しきれていないようですから、私たちで話をつけましょう」
「お二人は私たちの後ろに」
「大丈夫そ?」
「サラマンダーを倒して頂きましたのでここは私たち二人に任せてくださいさ」
「わかったわ」
揉めるようならいつでも相手できるように身構えてよっと。
オカマは何も持たずに鳥人族の兵士たちがこちらにくるのを待っている。
十五人の鳥人族たちが降り立ってきた。
警戒体制というからには武器でも持っているのかと思いきや、持っていなかった。
戦うってなったら、どう戦うつもりなんだろ。
「サキ様、モト様。お二人ともご無事で何よりにございます」
「ヤゲン、いつも里の警備ありがとうございます。こうして、迎えにまで来てくれるという事は里は安全という事ですしね」
「サキ様、お言葉ありがとうございます。もちろん、里は安全にございます。ただ、お二人の後ろに居られる方々は人間とお見受けできるのですが……何故、ご一緒で?」
「お二人は王都の何でも屋です。とある事情で里までご一緒してくださっているだけです」
「左様ですか。ところで先程の魔力行使……をなされたのはその方々ですかな?」
「そうです。そこに埋まっているサラマンダーと、里に程近い場所にも埋まっているサラマンダーを倒してくださいました。倒す際にやむ無く行ったのです」
「……その件について、族長が連れてくるようにと命じられたので出向きました。サキ様、モト様、そのお二人はお知り合いであり、敵ではないのですね?」
「はい。お姉様を王都で救ってくださり、先程、モトのことも助けてくれました。そんな方々がモト達の里に害を為す訳がありません」
「承知致しました。至急であったため、サキ様、モト様の魔力を感知できずに警戒体制でのお迎えになってしまい、申し訳ございませんでした。よろしければ、このヤゲンもご同行させて頂ければと思いますが」
「その必要はありません。お二人は私たちがお父様の所へお連れします。先に戻り、事情をお父様へお伝えてください」
「かしこまりました。では、失礼致します」
ヤゲンっていう兵士長みたいな人が深々と頭を下げると、他の兵士達も頭を下げた。
ヤゲンが頭を上げると、他も上げて、里の方へと振り向けば振り向いて、一斉に飛び立っていった。
「良かったの? 一緒じゃなくて」
「警戒体制の一団と一緒にいたら、良からぬ印象を受けてしまうかもしれませんから。先に安全である事をお父様や里のみんなに知ってもらえれば、安心です。私たちを助けてくれた恩人を無碍にする訳にはいけませんから」
「あっちの早合点だったなら、良かったわ。兵士さん達が見えなくなったら私たちも行きましょ」
「準備しますね」
サキとモトはまた大きな鳥の姿になって、大きな鉤爪で荷物を掴んだ。
安全のために手綱も付けさせてもらって、アタシはモトに、オカマはサキに乗った。
「さ! 兵士さんたちが見えなくなったから行こう!」
「忘れ物はないかしら?」
『大丈夫です』
『では、行きましょう!』
モトとサキが羽ばたき始めて、里へと飛び始めた。

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