あなたの見慣れた部屋。
けれど、その部屋の中が泥棒に荒らされたかのように散らかっています。
ものは例えで、実際に泥棒が入ったわけでも何かを盗られたわけでもないから安心して。
ここはあなたの心の中。
散らかっているものは、日々を忙しく過ごしたあなたの記憶や気持ち。
それが服だったり、雑貨だったり、何かの機械だったりとさまざまな物があちらこちらに落ちています。
日々を過ごす事を優先するあまり、心の中が散らかってしまうのは仕方ありません。
自分を責めるのは程々にして、心の中をしっかりと見てみてください。
もぞり。
今、何か動きましたね?
よくよく見ると、散らかっている物よりも小さい小人さんがいます。
小人さんが光って見えるのは小人さんには個体差がないから。
その姿は見る人それぞれで違いますからご自由に想像してください。
小人さんはあなたの心の中を整理、掃除してくれます。
いわば、お掃除屋さん。
服を洗ったり、乾かして畳んだり、食器の洗い物だってしちゃいます。
無くしたはずの雑貨も見つけるし、壊れた機械も直しちゃう。
なんでもできちゃう頼れるやつ。
そんな小人さんは頼まれるでもなく、あなたの心の中をお片づけや整理整頓をしてくれます。
もう着れないけれど、大切にしていた服は記憶の押し入れに。
お気に入りの雑貨は見慣れた部屋の元の場所へ。
機械も壊れないように丁寧に運んでくれる。
嫌な事を思い起こさせる物は一箇所にまとめちゃいます。
なんで、一箇所にまとめるかって?
それは後のお楽しみ。
ただ、一人で部屋を綺麗にするのは大変です。
小人さんも疲れてきて、少し休んじゃってますね。
こんな時は仲間にお願いをします。
小人さんが腰のポーチならベルを取り出して鳴らしました。
すると、どこからともなく他の小人さんたちが現れました。
私達にはわからない言葉でやりとりすると、分担をしてそれぞれが片付けと整理整頓をしていきます。
散らかっていた物も記憶のタンスも部屋全体をキレイにしていく。
壁と家具の間の埃も一つ残らずに。
ついでに、汚れも取ってくれてたりもします。
眺める事、数時間で小人さんたちはあなたの心の中をキレイにしてくれました。
散らかっていた物は整理整頓され、片付けられています。
最後に小人さんたちが集まったのは、あなたが嫌な事を思い起こされる物の前。
いろんな物が山のように置いてあります。
小人さんたちはその山に向き直ると作業をし始めました。
ギコギコギコギコ。
トンカントンカン。
処分してしまうのかと思いきや、何かを作ってるみたいです。
しばらく眺めていると、要らない物でできたのは小人さんのお家です。
心の中にあるものに思い出すとつらい物や嫌な物はあるけれど、無くなっていいものはありません。
あなたの心にできた物は、あなたがあなたとして生きていく上で必要な物ばかりだから。
小人さんたちは無くすのではなく、あって良いものに作り変えてくれるのです。
お家は小人さん達がいつでも来られるためのもの。
小人さん達は、あくまであなたが自分ではどうしようもない時に来てくれる助っ人です。
一日ではどうしようもない時なんかには泊まって、次の日もお手伝いしてくれることもあるでしょう。
小人さん達が手を振ってくれてます。
どうやら、あなたの心の中を整理してくれたみたいです。
あとは、あなたが悩みを解決する番のようですね。
悩みがないのなら、どうか穏やかな日々を過ごせますように。
また心の中が散らかっても、大丈夫。
あなたならお片づけも整理整頓もできるでしょう。
どうしても無理な時はまたこの物語を読みに来てくださいな。
小人さん達も、あなたの心の中の語り部たる私も。
いつだって、あなたのお手伝いをいたしますから。

コメント