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名もなき世界の何でも屋

第十九話 来てくれないかもってこと!?

  「ただいま〜!」「ん? おー! おかえり、スズネちゃん! ヒック」  スズネが声をかけながら入ると、扉に一番近いカウンター席に座った呑のんだくれの常連が出迎えてくれた。 その後を釣られるように店の中にいる常連じょうれんの客...
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第十八話 逃げるのなんて余裕余裕!

  「ところで、逃げ場所とかあるの?」「そんなのないわよ。適当な所で身を隠していればいいでしょ」「なら、ハイネの店に行こ! カフェとバーをしている店」「それってもしかして、マキシウェル通りの『インフォマツィーネ』の事かしら……ハイネ...
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第十七話 二丁上がり!

   こじ開けられた扉に押されて、オカマは地面に転がった。 受け身をとって、すぐに敵の方へと向き直した。 開けられた扉からは武器を持った敵がゾロゾロと出てきた。 手に持っている武器は剣や槍、短剣、片手杖と各々が様々な武器を持っている...
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第十六話 松明見えちゃってんじゃん!

  「おい、あれ」「あぁ。何かあったな」  甲高い音がした後に変な声も聞こえ、目の前の曲がり角に二本の松明たいまつが出てきた。 さっきから話し声が聞こえてきていたことを考えると仲間が帰ってきていたのだろう。 だとすると、その曲...
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第十五話 ゆっくり静かに慎重に

  『裏路地に入ったね。アジトまでは普通なら辿り着けないようになっているの。迷路みたいにね』「それじゃあ、相手はどうやってアジトに帰ってるの?」『曲がり角に目印があるの。知っているものだけが辿り着けるようにね。曲がり角に着いたら手紙...
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第十四話 あと、これも持っていきなさい

   日の光が色味を帯びてきた頃に、スズネは目を覚ました。 「よく寝た〜! ギリギリまで寝ちゃったか。すぐに支度しよ!」  スズネはクローゼット開けて、新しい服に着替える。 いつも着ているものとあまり変わり映えはしないが...
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第十三話 リン姉……

   バーの休憩室。 今となってはスズネの部屋になっている。 バーの仕事終わり、スズネはシャワーを浴びて、寝巻きに着替えていた。 「さっぱりした〜。ハイネってば、いつの間にシャワー室なんて作ったんだろ。有難いけど、ちょっと部屋...
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第十二話 ワタシはスズネが大好きですから

   迷子の猫探しの依頼の一週間ほど経った頃。 朝焼けに照らされて王都は明るく照らされている。 「口では何でも屋を続けるって言ってたけど、元の生活に戻ったわね」  そんな中、ハイネはバーの仕事帰り。 大通りで思わず呟いた...
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第十一話 アタシの初めての報酬!

   サキは風に乗って、猫の居場所へ。 森から歩けば十五分ほどの距離をものの数分で着いた。 サキはゆっくりと地面に近づき、スズネが地面に足をつけ、手を放したのを確認してから自身も地面へと降り立った。 スズネは崩れ落ちるように四つん這...
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第十話 あら、美味しそう

   ちょうどいい倒木とうぼくがあり、空を見上げられる場所だった。 焚たき火の後もあるのをみると旅人が野宿でもしたのかもしれない。 その倒木に腰を下ろして、ポーチからハイネのお弁当を取り出した。 「さーて、何が入ってるかな〜?...
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