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短編小説

見えない繋がりの中で

あなたに「おはよう」と言える幸せをいつも感じてる。 あなたはいつも起きるのが遅くて、いつも私が起こさなきゃ起きもしない。 アラームも4回鳴っても起きやしない。 こんな日常を愛いとおしく思えるのは忘れかけてる『過去』があるから。・――・――・...
名もなき世界の何でも屋

第二十八話 夜更かし、しよっか!!

「どうなるかと思ったけど、なんとかなってよかった」「そうね。サキさんの機転が良かったからよ」「いえいえ。元はと言えば、私のせいなので」 裏路地からの帰り道、スズネはサキさんを負ぶったまま帰っている。「族長の娘って、ほんとなの?」「はい。あま...
名もなき世界の何でも屋

第二十七話 空の旅をして帰ってきたわ

「いらっしゃいませ……って、なにかあったの?」「ちょっと空の旅をして帰ってきたわ」 私が詩人じみた事を言うとハイネさんは眉間に皺しわを寄せた。 乱れた髪を整え、服も軽く払った。「そんな事よりモトさんを少し預かってもらっていいかしら」「それは...
名もなき世界の何でも屋

第二十六話 ここにいてちょうだい

「おじさん、ありがと。登らせてくれて」「いつも美味い酒を飲ませてもらってるからな。これくらいお安い御用だ」 城門に着いた三人は、「インフォマツィーネ」の常連である門兵おじさんを見つけ、なんとか城門の見張り塔へ登れるように話をつけた。「登らせ...
名もなき世界の何でも屋

第二十五話 じゃあ、食べるんじゃないわよ

仕方なく、城門から王城へと真っ直ぐに続くヘミニング通りを進む。 この大通りは観光客が良く通る道だから、お土産屋やレストランが多く店を出している。 出店をしているので、食べ歩きにはもってこいである。「焼きとうころもし、カーナル・サンデーさんの...
名もなき世界の何でも屋

第二十四話 依頼主を待たせ過ぎでは?

「ちょっと、オカマ! ホントに依頼主と待ち合わせしてるの? 居ないんだけど?」「ちゃんと居るわよ」 私がそう答えるとスズネは首を傾げた。 スズネは街の中での鳥人族ちょうじんぞくを特徴が依頼書に描いてある通りだと思っているのだろう。 私は騎士...
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第二十三話 ……なにか、言ったかしら?

私たちはしばらく黙々と食べていた。 量のせいもあるけど、私の方が先に食べ終えて、食後のコーヒーをもらう。「やっぱり、食後のコーヒーは良いわね。この一杯を楽しむために食事をしたって感じ」「ふふ、最近までホームレスだったのが嘘みたいに優雅ゆうが...
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第二十二話 ノックくらいしたら?

『お前はここで隠れていろ』『お父様!』『いいか、何があってもここを出ようと考えるんじゃないぞ』 背後の炎のせいで影が落ち、顔はわからない。 だが、僕の顔に落ちてきた水滴は、汗じゃなかったはずだ。 その水滴には確かな暖かさがあったのだから。『...
名もなき世界の何でも屋

第二十一話 すごいすごい!! オカマも見てよ!! 

「こ、これ開けて良い?」「待ちなさい、私もそっちに行くわ」 ルビラが粗末そまつに置いていった報酬ほうしゅうの入った布袋ぬのぶくろ。 その前に三人は神妙しんみょうな面持ちで眺める。「開けるからね」「え、えぇ」「開けてみなさい」 スズネが紐を解...
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第二十話 貴公の話を聞かせてもらおうか

「夜分遅くに失礼する。ここは『インフォマツィーネ』であっているかな?」 店のドアを開けて入ってきたの小柄で太った男性だった。 だが、それだけではない。 その服装は王の側近たる立派なもので胸には王城に使える者がつけているバッチを付けている。 ...