名もなき世界の何でも屋

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第十二話 ワタシはスズネが大好きですから

   迷子の猫探しの依頼の一週間ほど経った頃。 朝焼けに照らされて王都は明るく照らされている。 「口では何でも屋を続けるって言ってたけど、元の生活に戻ったわね」  そんな中、ハイネはバーの仕事帰り。 大通りで思わず呟いた...
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第十一話 アタシの初めての報酬!

   サキは風に乗って、猫の居場所へ。 森から歩けば十五分ほどの距離をものの数分で着いた。 サキはゆっくりと地面に近づき、スズネが地面に足をつけ、手を放したのを確認してから自身も地面へと降り立った。 スズネは崩れ落ちるように四つん這...
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第十話 あら、美味しそう

   ちょうどいい倒木とうぼくがあり、空を見上げられる場所だった。 焚たき火の後もあるのをみると旅人が野宿でもしたのかもしれない。 その倒木に腰を下ろして、ポーチからハイネのお弁当を取り出した。 「さーて、何が入ってるかな〜?...
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第九話 スズネお姉ちゃん……なんか良いかも

 スズネはハイネの店から出て、依頼書に書いてあった依頼主の住所へと向かった。 まずは、その周辺から迷子の猫を探す事にしたのだ。 「依頼書が張り出されたのは一昨日だから。もうここら辺には居なさそうだけど探してみるかなぁ」 ...
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第八話 アタシにまっかせなさい!

   スズネが初めて依頼を受けた時もこう言っていた。 「あ〜、疲れた〜」  こうなってくると口癖のようになってくるのだが、当の本人に自覚はない。 ただ、本音を言ってカウンターに上半身を預ける。 この頃からそれがバーで働き...
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第七話 仕事、見つけてきたわよ

  「あ〜、疲れた〜」「ちょっと、せっかくカウンター拭いたんだから。そんなとこでだれない」「良いじゃん、別に。これから賄まかない食べるんだし、ここはアタシの席だもん。それに後で拭くから大丈夫」「まったく、その賄いのお金も給料から天引...
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第六話 もう我慢できないっ!

   スズネやハイネ、常連のお客さん達が言っていた「アレ」 それは、スズネが初めてハイネのバーで働いた日の出来事である。 スズネの思っていた通り、その日も大盛況で忙しかった。 初めてのバーでの仕事にアタフタしているのに、お客さんは容...
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  名もなき世界の何でも屋 Ⅰ 第一話 「なんでもや」さんになる! 第二話 歳が十八になった時に 第三話 何でも屋の一歩目だぁー! 第四話 働かざる者食うべからず、よ 第五話 売れないってのは余計じゃ...
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第五話 売れないってのは余計じゃない!?

   アタシが店内へ出て、テーブルを拭いたりしていると、少しずつ常連じょうれんのお客さんや日の浅いお客さんがやってきた。 「お! 今日はスズネちゃんが居るんだな! これは美味い酒が飲めそうだ!」「どうも! 程々にしてくれないと...
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第四話 働かざる者食うべからず、よ

   「こら、起きなさい」  アタシは誰かに身体を揺ゆさぶられた。 その揺れにうなされて、夢から覚めた。 「ゔーん、なんか懐かしい夢見たような……」「何言ってんの。降りてこないから起こしに来てあげたのに」「……別にアタシ...
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