名もなき世界の何でも屋

第十五話 ゆっくり静かに慎重に

『裏路地に入ったね。アジトまでは普通なら辿り着けないようになっているの。迷路みたいにね』「それじゃあ、相手はどうやってアジトに帰ってるの?」『曲がり角に目印があるの。知っているものだけが辿り着けるようにね。曲がり角に着いたら手紙を見て』「わ...
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第十四話 あと、これも持っていきなさい

日の光が色味を帯びてきた頃に、スズネは目を覚ました。「よく寝た〜! ギリギリまで寝ちゃったか。すぐに支度しよ!」 スズネはクローゼット開けて、新しい服に着替える。 いつも着ているものとあまり変わり映えはしないが、それでも新しい服を着るのは気...
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第十三話 リン姉……

バーの休憩室。 今となってはスズネの部屋になっている。 バーの仕事終わり、スズネはシャワーを浴びて、寝巻きに着替えていた。「さっぱりした〜。ハイネってば、いつの間にシャワー室なんて作ったんだろ。有難いけど、ちょっと部屋が狭くなっちゃったな〜...
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第十二話 ワタシはスズネが大好きですから

迷子の猫探しの依頼の一週間ほど経った頃。 朝焼けに照らされて王都は明るく照らされている。「口では何でも屋を続けるって言ってたけど、元の生活に戻ったわね」 そんな中、ハイネはバーの仕事帰り。 大通りで思わず呟いた。 迷子の猫探しの依頼以降、ス...
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第十一話 アタシの初めての報酬!

サキは風に乗って、猫の居場所へ。 森から歩けば十五分ほどの距離をものの数分で着いた。 サキはゆっくりと地面に近づき、スズネが地面に足をつけ、手を放したのを確認してから自身も地面へと降り立った。 スズネは崩れ落ちるように四つん這いになり、俯い...
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第十話 あら、美味しそう

ちょうどいい倒木とうぼくがあり、空を見上げられる場所だった。 焚たき火の後もあるのをみると旅人が野宿でもしたのかもしれない。 その倒木に腰を下ろして、ポーチからハイネのお弁当を取り出した。「さーて、何が入ってるかな〜? お〜!! 美味しそう...
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第九話 スズネお姉ちゃん……なんか良いかも

スズネはハイネの店から出て、依頼書に書いてあった依頼主の住所へと向かった。 まずは、その周辺から迷子の猫を探す事にしたのだ。「依頼書が張り出されたのは一昨日だから。もうここら辺には居なさそうだけど探してみるかなぁ」 家が密集している住宅地。...
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第八話 アタシにまっかせなさい!

スズネが初めて依頼を受けた時もこう言っていた。「あ〜、疲れた〜」 こうなってくると口癖のようになってくるのだが、当の本人に自覚はない。 ただ、本音を言ってカウンターに上半身を預ける。 この頃からそれがバーで働き終えたスズネのルーティーンとな...
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第七話 仕事、見つけてきたわよ

「あ〜、疲れた〜」「ちょっと、せっかくカウンター拭いたんだから。そんなとこでだれない」「良いじゃん、別に。これから賄まかない食べるんだし、ここはアタシの席だもん。それに後で拭くから大丈夫」「まったく、その賄いのお金も給料から天引きするからよ...
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第六話 もう我慢できないっ!

スズネやハイネ、常連のお客さん達が言っていた「アレ」 それは、スズネが初めてハイネのバーで働いた日の出来事である。 スズネの思っていた通り、その日も大盛況で忙しかった。 初めてのバーでの仕事にアタフタしているのに、お客さんは容赦ようしゃなく...