名もなき世界の何でも屋

第十三話 まだ里には着かないの?

獣人族じゅうじんぞくの商人と護衛を助けてから飛んで、村も道も少なくなって、草原や森が増えてきた。 空を飛ぶのは良いけど、おんなじような風景ばったりで飽あきてきたな「まだ里には着かないの〜?」『もう見えてますよ』「え? どれ?」 村なんてない...
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第十二話 はずんでもらうからね!

お昼を食べてからまたモト達の背中に乗って、しばらく。 乗ってるだけだからちょっと眠くなってきたかも。『あれは?』「ふぁ〜、なに?」『魔物に襲われてるみたいですよ!』「え!?」 落ちないように辺りを見下ろすと、騒がしくしているのが見えた。 金...
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第十一話 レッツ! ゴー!

♧♧♧  あっという間に王都を離れて、草原やら森やら街とかも飛び去っていく。「すんごい早い! これなら半日で着くんじゃない!?」『これでもゆっくり飛んでますよ』「そなの?」『荷物を運ぶのはもちろん、人を乗せて飛ぶというのは滅多めったにありま...
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第十話 だから、夢を見たのかもしれないわね

何事もなく朝がやってきて、王都から鳥人族の里へ向かう当日。 いつもよりも早く身支度をして、ハイネさんの店へと降りる。 ハイネさんも早くから朝食の支度をしてくれていたようで芳ばしい匂いがしている。「おはよ、もうできてるから早く食べちゃって」「...
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第九話 贅沢言わないでちょうだい

鳥人族姉妹ちょうじんぞくしまいの添い寝騒動はすぐに落ち着き、明日の旅路の準備となった。 ハイネさんの賄まかないのおかげでスズネの機嫌は治ったのは大きい。 難癖なんくせつけて要らないものを買わされそうな気がしていたから無駄な出費が減るのは大変...
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第八話 やっぱり先に出てきちゃうよねぇ〜

締しまりきった天板てんばんのような扉を前に二人は立っていた。 ここが開くのはもちろん外へ出る時だけ、リンネは敵の迎撃げいげきのために何度か出ているが、シグにとっては両親に放り込まれてから一度も出た事はない。 陽ひの光はリンネと出会った時に浴...
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第七話 師匠、これは……

リンネとシグが両者見合って、二人とも同じ構えをとっている。 鏡に写したように構える二人。 リンネが右利きに対して、シグは左利き。 都合上、片腕よりも低く構えたその利き腕はここぞという時に振るわれる一撃のために力を留める。 静かにゆっくりと。...
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第六話 とっておきの方法を伝授するね

地下図書館の本棚が少ないひらけた場所。 そこに焼き焦こげた紙が落ちていた。 魔力切れが起きる前に燃えようとした残骸ざんがい。「じゃあ、シグくんにとっておきの方法を伝授するね」「とっておき?」「はい、これ」 左の掌てのひらを支えられ、リンネの...
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第五話 遅い子は置いてっちゃうぞ〜?

シグが一人で寝るようになってから数日。 食べ物はリンネと同じ物を食べるようになった。 会話も添い寝騒動から問題ないと判断され、冗談混じょうだんまじりの事や魔術の小難しいところまで話すようになった。「この完全栄養エステラルポーションって、師匠...
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第四話 強くなりたいです

引き続き彼の身体のリハビリは次の段階へ上がった。 食べ物は徐々じょじょに咀嚼そしゃくが必要なものになり、リンネとの会話も初級魔術や亜人種あじんしゅの種類の話などが話題に出てくるようになった。 話題によっては、彼が頭痛を訴うったえ中断する場面...