名もなき世界の何でも屋

第二十六話 ここにいてちょうだい

  「おじさん、ありがと。登らせてくれて」「いつも美味い酒を飲ませてもらってるからな。これくらいお安い御用だ」  城門に着いた三人は、「インフォマツィーネ」の常連である門兵おじさんを見つけ、なんとか城門の見張り塔へ登れるように...
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第二十五話 じゃあ、食べるんじゃないわよ

   仕方なく、城門から王城へと真っ直ぐに続くヘミニング通りを進む。 この大通りは観光客が良く通る道だから、お土産屋やレストランが多く店を出している。 出店をしているので、食べ歩きにはもってこいである。 「焼きとうころもし、カ...
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第二十四話 依頼主を待たせ過ぎでは?

 「ちょっと、オカマ! ホントに依頼主と待ち合わせしてるの? 居ないんだけど?」「ちゃんと居るわよ」  私がそう答えるとスズネは首を傾げた。 スズネは街の中での鳥人族ちょうじんぞくを特徴が依頼書に描いてある通りだと思っている...
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第二十三話 ……なにか、言ったかしら?

   私たちはしばらく黙々と食べていた。 量のせいもあるけど、私の方が先に食べ終えて、食後のコーヒーをもらう。 「やっぱり、食後のコーヒーは良いわね。この一杯を楽しむために食事をしたって感じ」「ふふ、最近までホームレスだったの...
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第二十二話 ノックくらいしたら?

  『お前はここで隠れていろ』『お父様!』『いいか、何があってもここを出ようと考えるんじゃないぞ』  背後の炎のせいで影が落ち、顔はわからない。 だが、僕の顔に落ちてきた水滴は、汗じゃなかったはずだ。 その水滴には確かな暖かさ...
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第二十一話 すごいすごい!! オカマも見てよ!! 

  「こ、これ開けて良い?」「待ちなさい、私もそっちに行くわ」  ルビラが粗末そまつに置いていった報酬ほうしゅうの入った布袋ぬのぶくろ。 その前に三人は神妙しんみょうな面持ちで眺める。 「開けるからね」「え、えぇ」「開け...
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第二十話 貴公の話を聞かせてもらおうか

  「夜分遅くに失礼する。ここは『インフォマツィーネ』であっているかな?」  店のドアを開けて入ってきたの小柄で太った男性だった。 だが、それだけではない。 その服装は王の側近たる立派なもので胸には王城に使える者がつけているバ...
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第十九話 来てくれないかもってこと!?

  「ただいま〜!」「ん? おー! おかえり、スズネちゃん! ヒック」  スズネが声をかけながら入ると、扉に一番近いカウンター席に座った呑のんだくれの常連が出迎えてくれた。 その後を釣られるように店の中にいる常連じょうれんの客...
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第十八話 逃げるのなんて余裕余裕!

  「ところで、逃げ場所とかあるの?」「そんなのないわよ。適当な所で身を隠していればいいでしょ」「なら、ハイネの店に行こ! カフェとバーをしている店」「それってもしかして、マキシウェル通りの『インフォマツィーネ』の事かしら……ハイネ...
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第十七話 二丁上がり!

   こじ開けられた扉に押されて、オカマは地面に転がった。 受け身をとって、すぐに敵の方へと向き直した。 開けられた扉からは武器を持った敵がゾロゾロと出てきた。 手に持っている武器は剣や槍、短剣、片手杖と各々が様々な武器を持っている...
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