名もなき世界の何でも屋

第五話 売れないってのは余計じゃない!?

   アタシが店内へ出て、テーブルを拭いたりしていると、少しずつ常連じょうれんのお客さんや日の浅いお客さんがやってきた。 「お! 今日はスズネちゃんが居るんだな! これは美味い酒が飲めそうだ!」「どうも! 程々にしてくれないと...
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第四話 働かざる者食うべからず、よ

   「こら、起きなさい」  アタシは誰かに身体を揺ゆさぶられた。 その揺れにうなされて、夢から覚めた。 「ゔーん、なんか懐かしい夢見たような……」「何言ってんの。降りてこないから起こしに来てあげたのに」「……別にアタシ...
名もなき世界の何でも屋

第三話 何でも屋の一歩目だぁー!

   リンネの旅立ちから数年が過ぎて、スズネは十八才となった。 両親から誕生日の時にたくさんのご馳走ちそうを振舞ふるまってもらった。 誕生日プレゼントなのか、旅をするための贈り物だったのかわからないが、リンネから箱が届いた。 ...
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第二話 歳が十八になった時に

   スズネがぐっすりと寝た次の日。 リンネから魔法を教えてもらう事になったスズネだが。 魔法の勉強が理解できずに火をばーん!どかーん!もいたいのいたいのとんでいけー!も覚えるのを早々にあきらめていた。 「それじゃあ、違うやり...
名もなき世界の何でも屋

名もなき世界の何でも屋 Ⅰ

第一話 「なんでもや」さんになる! 「暇ひま……」  自宅兼事務所。 その接待室で立派な机の上に足を乗せ、椅子を傾けてぎーこぎーこと揺らした。 別に揺籠ゆりかごではないから全然心地よくはないし、暇潰しにもならないどうしようもな...
黒狼記

第二十六話 旅支度と旅立ち

   鉄慈てつじから椿つばきを旅に連れていく許ゆるしをもらった次の日、蒼あおは春芽はるめと夏葉なつはに連れられ、村の市場で旅に必要なものを買いに出ていた。 「あおさん、これなんてどうでしょう?」「あお! これなんてどう!?」 ...
黒狼記

第二十五話 家族、水入る?

   獄舎ごくしゃから政元まさもとの家へ帰ってきた弓月ゆみづきは踏石ふみいしの上を見た。 そこには出て行く前にはなかった一組の草履ぞうりが増えていた。 「む、この草履は……」  弓月も草履を脱ぐとそのまま、鉄戒てっかいと...
黒狼記

第二十四話 けじめ

   弓月ゆみづきは「悪い奴が捕まっとる場所」である獄舎ごくしゃーー現代で言うところの刑務所ーーへと向かう。 門を出て右へ。 しばらく歩いて、突き当たりを左へと曲がった。 すると、家々が立ち並ぶその奥に木で作られた塀へいが見える。 ...
黒狼記

第二十三話 騒がしい朝

    夜が明けて、襖ふすまの開いている部屋の中を陽ひの光照らし出した頃に蒼あおは目を覚ました。  雀すずめの囀さえずりも聞こえてくる。 少し辺りが騒さわがしい気もするが、そこまで気になる程でもなく、むしろ、心地良さを感じていた。 ...
黒狼記

第二十二話 折れた角の事情

   村までの道のりで蒼あおと椿つばきの間で会話はなかった。 村に着く頃には、空は星が見える程に暗くなっていた。 村の中は静かで、村の人たちの寝息が聞こえてくるのではないかと思えるくらいである。 その中、足音と荷台を引く音だけが響い...
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