黒狼記

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第三十四話 家事 と 襲撃

昼食が終えた後、天明てんめいが居るということで萃蓮すいれんは天明にベッタリだった。 菊左衛門きくざえもんも調子を取り戻したようで、ここぞとばかりに庭を整え始めた。 椿つばきは天明の家の中を掃除したり、洗濯をしたりと家事に勤いそしんでいた。「...
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第三十三話 謝罪 と 食事

モヤから出てきた二人はまた季喬ききょうの前に正座。 蒼あおは手をついて頭を下げた。 「季喬様。先程までの無礼、申し訳御座いませんでした。失礼な態度をしてしまった手前、お願いをするのもまた不躾でありますが。どうか妖術のご指南ご鞭撻べんたつ、宜...
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第三十二話 妖術の修業

椿つばきが目が覚めたのは二日経った朝であった。 天明てんめいが持ってきてくれたのは京漬物きょうつけものと呼ばれる様々な漬物とご飯を食べた。 食べながらに弓月ゆみづきは椿に昨日聞いた話を伝えていた。 「あの虚無僧きょむそうさん……菊左衛門きく...
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第三十一話 季喬の妖術

「何か手立てを考えねば〜……どういたものか〜……」 恰幅かっぷくのいい平穏貴族へいおんきぞくは、同じところを行ったり来たりしていた。 天明てんめいの話していた件の平穏貴族である。「憎っくき奴らを出し抜いて、八尺瓊勾玉やさかにのまがたまを手に...
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第三十話 遊びの決着

「僕としたことが、昼食の事を忘れていたとは。あの子もぐずっていないと良いですが……」 と天明てんめいが風呂敷で巻かれたものを小脇に抱えて、我が家に近づいていた。 家からひゅんひゅんと空気を切る音とぼふりと何かが消える音が聞こえた。 竹で編ま...
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第二十九話 ちょっとした遊び

「早速、この身体の具合を確かめたいところじゃが……休む他ないの」 眠る椿つばきを見た。 さっきはうなされていたが、規則正しく寝息を立て、穏おだやかに眠っている。 天明てんめいや他の者が危害を加えてこないと思うが、眠る椿を一人にさせるわけには...
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第二十八話 過去の清算

三種の神器。 鉄鏡の八咫鏡やたのかがみ。八岐大蛇やまたのおろちの尾から出てきた天叢雲剣あまのむらくものつるぎ、草薙剣くさなぎのつるぎとも呼ばれる剣。そして、八尺はっしゃくにも渡る緒で結ばれた八尺瓊勾玉やさかにのまがたま。「どれも僕らが生まれ...
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第二十七話 煮湯の夜

三日月が薄く照らす晩の事でございます。 とある平穏貴族へいおんきぞくの屋敷で庭師にわしが夜遅くまで、庭の手入れをしておりました。 いつもならば、手元が暗くなる時間には仕事を切り上げているのですが、この日は雇った貴族が隅々まで綺麗に整えろと宣...
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第二十六話 天明の屋敷

「……屋敷など見えんが?」「いやいや、ちゃんとありますとも。今日は一段と生えてしまったな〜。虚無僧きょむそう殿が来てから毎日楽しそうで何よりなんですが、ちゃんと抑えるように言っておかないと。ささ、入ってください」 天明てんめいは草を腕で退ど...
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第二十五話 羅京門を越えて

「全く、相変わらず掴みどころのない方じゃ」 そう文句を言う弓月ゆみづきの顔は、綻ほころんでいた。 三百年程前に仕つかえていた相手である季喬ききょうが姿は少し変わろうとも、性格や言動に変わりはなく生きていた事。 それが嬉しかったのだろう。 椿...