黒狼記

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第十四話 夕食 と 狼

ちりーん、しゃりーん。 と試練が始まり、また同じ音で試練が終わる。 椿つばきを抱えずに戦えるようになった蒼は、十影とかげと九否くいなの試練よりも危なげなく、次から次へと組み手を仕掛けてくる忍を捌さばききり、無傷で潜り抜け四匹目の狐にも稲荷寿...
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第十三話 ちょっとした一悶着

「っ……思ってたより痛いな」  錦にしき達が去った後に階段に腰掛けた。 試練の中、ずっと刺さりっぱなしだった手裏剣を抜いた。 刺し傷から血が滲にじみ出てきている。「私からしたらすごく痛そうなんですけど。今すぐ治しますね」 椿つばきが左足の甲...
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第十二話 第三の試練

「あんなの無理です! 気絶するなって言うのがもう無理!」「だから、悪かったって。あーでもしないと、当たっちゃうからさ」 目が覚めた椿つばきに小言こごとを言われながら進む。 気絶していた椿をおぶって、一人で二つ目の社やしろ。 二匹目の狐に稲荷...
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第十一話 第二の試練

一つ目の社やしろを後にして、緩ゆるやかな下り坂を歩いていた。 「御供おそなえは毎回あんな感じなんですかね?」「かもしれないな。あの狐、稲荷寿司いなりずしを食べてたな」「ですね」「弓月は魂たましいだけの時は食べれなさそうだし、どうなってるんだ...
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第十話 第一の試練

蒼あおを先頭に二人は試練の待つ道を歩いていく。 だが、地図を持って先頭を歩く蒼は道をすぐに間違えた方へと歩き……数十分もの間、まだ麓ふともの大社近くを歩き彷徨っていた。「やっぱり、私が前の方がいいんじゃ……」「いや、これは俺を試してるんだか...
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第九話 九尾の試練

「私わたくしは一尾いちびと申します。季喬様ききょうさまの遣つかいにございます」 ゆっくりとお辞儀をした。 椿つばきもつられるようにお辞儀をするが、弓月ゆみづきは頭を下げずに一尾をじっと見ていた。 左肩には青い人魂も姿を現している。「そうか、...
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第八話 伏見九ノ峰大社

「本当に変わった人でしたね」「あれはただの変わり者ではない。人間にしては察しが良すぎる。それに我の事を知っておった。話には出さなかったが、椿つばきの事も……蒼あおの事さえも知っておるような気さえした。我らの旅の目的も十中八九じゅっちゅうはっ...
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第七話 お礼のような頼み事

「遠巻きにこちらを見ていた割には随分とでしゃばるんじゃな」 引き留めていた声に対して、弓月ゆみづきは振り返らずに言う。 椿つばきは振り返って、その声の主を見た。 白い狩衣かりぎぬと黒い袴はかまを着こなし、白い烏帽子えぼしを被っている。 平穏...
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第六話 治癒 と お礼

「なんてこった、本当に治っとる……」 虚無僧きょむそうは首を触さわりながら呟つぶやいた。 椿つばきが治癒の妖術を施ほどこしてから半刻程で治した。「治ってよかったです。ちょっと疲れちゃいました」「ようやってくれたの。して、虚無僧よ」 椿に労ね...
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第五話 平穏京の羅京門

宿屋での野盗退治から三日目の昼が過ぎた頃、京へと辿り着いていた。 「やっと着いたな」「ここが京……なんですね」 二人して、三度笠さんどがさをくいっと上げ、大きな門を眺める。 平穏京へいおんきょう。 そう名付けられている京の都。 三百年程前に...